より多くの女性乳がん患者へ、乳首温存の乳房切除は安全

より多くの女性乳がん患者へ、乳首温存の乳房切除は安全

メイガン・ブルックス

5月10日2019

 NY(ロイター/健康)米国乳房外科協会(ASBrS)の年次学会で、メイヨ―・クリニックが、浸潤度が低い乳首を温存する乳房切除は、多くの女性乳がん患者にとっては恩恵になるという分析を発表した。

 分析は、乳首を温存する乳房切除術が施術され始めてから、合併症や乳房再建不適合などが画期的に減少しており、また、進行性がん患者や術後の高リスクを伴う患者層への施術数も増加している、と報告している。

 「研究では、その安全性、乳首温存手術後の乳房再建の強化を図る」として、ミネソタ州ロチェスターにあるメイヨ―・クリニックのTona Hieken 博士は学会で発表し、さらに、「予測では、技術面及び複雑なケースへの対応として、施術数は増加していく。研究の結果は画期的であり、数字上だけではなく、安全面での評価も高く、幅広い患者層や対治療が困難とみられてきた一部の患者層にも施術可能」と言う。

 研究では、過去の記録を再検証、2009年から2017年、769人の女性患者(平均年齢48歳)に行われた乳首温存ケース1301件で、1年以内での再建成功率は2009年では87%、そして2017年には100%に達している。

 その中で30日内の合併発症率は7.5%だった。しかも、この検証期間中、合併症リスクが高い肥満女性患者も多く含んでいたにもかかわらず、その率は年を追って「激減」し、2009年では14.8%、2017年には6.3%までに減少した、とメイヨ―・クリニック Judy Boughey博士は報告した。

 2009年、乳首温存した乳房切除の患者で、化学療法のケモセラピー治療を行った者はいなかった。一方、2017年では患者数の26%が高リスク患者で手術待ちという者をも含んでいた。

 さらに、Boughey博士は、「乳首温存の乳房切除術の拡張に伴い、30日内の合併症発症率も減少し、期間内治療だけが必要となる。これらの数字が示すのは、乳首温存の乳房切除は実用的で、乳首温存アプローチは、高リスクの患者にも適しており、がん治療とリスク回避の両方面で期待もできる」と、会見で発言した。

 以前に行われていた放射線治療は、30日内の合併症への対応であった(発症率2.3%)、1年後に発症する再建不適合(発症率4.6%)、喫煙者(発症率3.3%)には30日内の合併症がみられた。

 ロイター/健康は、NYのマウント・サイナイ医療課の乳がん専門外科医Hank Schmidt 博士との電話インタビューで、「乳首温存の乳房切除は過去10年間で画期的に増加しており、がん患者への安全性も高く、多くの女性にとってもリスク回避となると多くの文献でも指摘されている」としている。

 「この検証は、過去の実績を基にしている。重要なのは、高い技術が必要となる手術であることで、不手際があれば、合併症や手術前後の治療にも影響を及ぼす。病状悪化、再発の危険性、新たながん発生にも繋がりかねない。この施術を行う外科医には、高い経験度が要求される」と、Schmidt 博士は続ける。

 CA州サンディゴ大学のSarah Blair 博士、及び、ASBrSの出版責任者は、メイヨ―・クリニックチームの分析は「選択患者のみを対象とした研究であり、外患を受け入れるには時間を要するだろう。この分析を基に、患者を選択できるような他の外科医への教育や外患へも高い技術を提供できるようにする。高リスクを伴うこの施術には、長期間に渡る安全性を確保する事が必要」としている。

この翻訳はボランティアが行ったものです。腑に落ちない点がありましたら下記の原文をお読みください。

原文:Nipple-Sparing Mastectomy Safe for More Women With Breast Cancer

https://www.medscape.com/