HER2乳がんをはじめとする最新の治療方法についてのセミナー

2015年3月Shareプログラム 

メモリアル スローン キャタリング 腫瘍内科 クリフォード ハデス先生

HER2乳がんをはじめとする最新の治療方法についてのセミナー

当日の録音記録と、スライド:SHAREのウェブサイト(全英語)

http://www.sharecancersupport.org/share-new/learn/blog/new_dev_bc_treatments/

溢れんばかりの人が会場いっぱいになり、皆さん とても真剣に耳を傾けていました。(上の録音記録を聞いていただくとドッ笑うところがあります。)シリアスな内容ですが、ハデス先生は時にドッと笑いが起こるような例えを引き出してくれて、とても身近な例でわかりやすく説明をして下さいました。以下、まとめです。

  1. DCIS(非浸潤乳がん)は、俗にステージゼロと呼ばれますが、「これが原因で死ぬことはない」と先生ははっきりおっしゃいました。
  2. 1990年から、現在の治療方法である 手術+術後治療(抗がん剤やホルモン治療)が一般になりました。
  3. 肥満と食生活の資質 を変えると アメリカの乳がん率は下がるのであるが、なかなか生活習慣を変えるのは難しい。
  4. エストロゲン・プロジェストロン ホルモン系乳がんに関しては、治療方法が確立されているが、再発の危険は、何年後もほぼずっと続く。
  5. トリプル・ネガティブは、いろいろな腫瘍の可能性が考えられるので、1つの方法としての治療方法はまだないが、最初の5年の再発率は高いが、それさえ乗り越えれば、その後の再発率はかなり低い。抗がん剤が主な治療方法。
  6. HER2乳がんは、抗がん剤と分子標的治療(ハーセプチンや、パージェタの複数の物がある。再発には経口薬ラパニティブなど、種類も多い。)現在は、治療しやすいタイプに劇的に変わった。
  7. ホルモン治療はいつまで続けるか。再発の危険確率が下がりにくいので、医療研究では、5年治療にするか、10年治療にするかのディベートが続いている。
    • タモキシフェンを5年摂取(24%再発可能性があると ある研究に出た。)
    • 10年摂取(20%だった。)
    • アロマテーゼ阻害薬(タモキシフェンの代わりに使う。閉経になった人のみに使うことができる。骨粗鬆症の危険性が増える可能性がある。ドライとなり、性交渉に支障が出る人が多い。再発の危険性はタモキシフェンに比べて、ほんの少し少ないが、Quality of Lifeに影響が出る。)
    • タモキシフェン(骨粗鬆症を防ぐ働きがある。) 

この二つの組み合わせで、今は治療を進める。

  1. 今後の研究方向。データ管理が昔よりも簡単になったので、今後の研究に使える 質の良いデータが使えるようになると思われる。
  2. 若年性乳がん患者治療。ホルモンが作られる卵巣を取ってしまった方がいいか。注射によって 卵巣の働きを止めたほうがいいのか。
    • 卵巣の働きを止めて アロマテーゼ阻害薬(5年・10年) (卵巣の働きを止めてタモキシフェンを取るのに比べて) アロマテーゼを使った方が再発確率を減らすが、死亡率は変わらない。アロマテーゼ阻害薬が性生活に支障が出るので、若年性乳がんの人に良いかどうかは一概に言えないので、個人患者と相談をして決めるべきである。

10)今後のHER2の治療研究について。術後の抗がん剤と共に、今までのハーセプチンだけでいいのか、それとも、パージェタや経口薬のラパニティブとの組み合わせがいいのか、また 期間はどれだけ治療をするのか、と今後の治療研究課題として ハデス先生は取り組んでいる。

以上が、セミナーのまとめです。

乳がん一般の情報は、その他の医療機関の情報を参照してください。また、乳がん治療は、乳がんタイプや年齢や生活スタイルを考慮して、だんだんと一個人にあった治療に移行しています。乳がんになられた方がこちらの情報をお読みになっているのであれば、ぜひ、専門医の先生としっかりお話をしていただきたく思います。

具体的に治療は専門医にお任せするとしても、乳がん治療は、長いです。私はそうですが、孤独に感じたり、不安を感じたりしりします。ぜひ、心のケアも大切にして下さい。患者同士のサポートグループがないか、病院で伺ってみるのも良いと思います。アメリカにお住まいであれば、SHARE日本語プログラムにご連絡ください。乳がんや卵巣がんの経験者が、一緒にお話をします。

p188066_d_v7_aaなお、HER2の薬 ハーセプチンができるまでの実話を元にした映画が存在します。そちらもご覧ください。私はHER2乳がん治療中ですが、この映画、最初っから泣きっぱなしでした。ハーセプチンがHER2治療を劇的に変えたのは、本当にここ10数年のお話です。Living Proof (2009)

17369087215_c757fd9c9c_z自らの乳がん生活をファッションの力を借りて ポジティブに乗り切ろうと抗がん剤中などの生活をドキュメントしています。www.healinheels.com

キャッツ ようこ 著