FDA、稀少がんに結び付く可能性のある、テクスチャードタイプの乳房インプラントを禁止しないことを決定

表面がザラザラしたテクスチャードタイプの乳房インプラントと、表面が滑らかなスムースタイプのインプラントは、感触や機動性が異なる

表面がザラザラしたテクスチャードタイプの乳房インプラントと、表面が滑らかなスムースタイプのインプラントは、感触や機動性が異なる

FDA、稀少がんに結び付く可能性のある、テクスチャードタイプの乳房インプラントを禁止しないことを決定

BIA-ALCLと呼ばれる稀少がんが乳房周囲の瘢痕組織に発生

シャンリー・ピアス著

2019年4月30日

 米国食品医薬品局(FDA)は、乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫 (BIA-ALCL)として知られる、乳房周囲の瘢痕組織に発生するがんにつながる、表面がザラザラしたテクスチャードタイプの乳房インプラントを禁止しないという決定を下した。

 「乳房インプラントが、これらの症状の原因となる決定的な証拠をFDAが掴んでいない一方、全身に症状が出ている女性の中には、乳房インプラントを切除すれば治癒するかもしれないことが証明されてもいる」と、FDA主席副長官のエイミー・アバーネシー博士と、FDA医療機器・放射線保健センター長のジェフ・シュレン医師が述べている。

 今年3月にFDAは、テクスチャードタイプの乳房インプラントの長期安全性に関する聴取を2日間かけて行った。テクスチャードタイプの乳房インプラントに関連のあるBIA-ALCLが、国内で457例にのぼったことを確認したと、FDAは報告している。テクスチャードタイプの乳房インプラントを使用している米国在住の女性にとって、現在のBIA-ALCLの生涯リスクは3,817人に1人から、30,000人に1人である。

 アメリカ形成外科協会長のアラン・マタラッソ医師は「これは衝撃的なことだが、われわれはそれが手段のひとつに過ぎないことを認めねばならず、学習して、完成させようとして、手術の方程式に第3の要因を加えるのである。患者と外科のだけではなく、それはどの手段も含まれるのであって、よりよく理解するためには検討、研究せねばならない」と述べている。

 テクスチャードタイプの乳房インプラントは周りの組織に付着し、それによって、インプラント周囲のポケットのなかで正常な位置に戻りにくくなる。一方、表面がなめらかなスムースタイプのインプラントは素早く定着し、自然な見た目を形成する。

 乳房インプラントの安全性をFDAもASPSも固持している。フランスは近年表面がテクスチャードタイプのインプラントを禁じる決断を下したが、FDAの代理人は「データや情報に基づくと、その手段は連邦食品・医薬品・化粧品法に明記されている禁止基準と合致しない」と述べている。

症状は他の病気に酷似

 BIA-ALCLのよくある症状は乳房の痛み、むくみ、あるいは硬化であり、これはインプラントや乳房や脇の下の個々の塊やしこりの周りに溜まる体液のためである。

 これらの症状は他の病気にもよくあり、より見受けられるもので、他の問題や病気である可能性の方が高いと、ベイラー医学大学のマイケル・E・ドベイキー外科学部助教授、並びにダン・L・ダンカン総合がんセンターのセバスチャン・ウィノカー医師は述べている。

 「感染症や滅菌血清腫の方がもっと頻繁に見られる」と彼は述べている。

 これらの症状のある女性は医師と相談し、疑わしいしこりや腫れをチェックするためMRIやエコー等の身体検査やテストを受けるべきである。液体や塊がある場合は、針生検によるBIA-ALCLを検査を行う必要がある。

 症状のない女性はテストや検査をすることはできないが、早期発見できれば、インプラントと瘢痕組織を切除することで、BIA-ALCLは完治可能である。

BIA-ALCLの原因今だ不明

 BIA-ALCLの直接の原因はまだわかっていないが、医師や学者はインプラント組織、バクテリア感染や場所的な要因に焦点をあてている。

インプラントのまわりに瘢痕組織の莢膜がある、スムースタイプのインプラントを使用した患者は、瘢痕組織形成の危険性が減少するため、テクスチャードタイプのインプラントへの変更を選択する。FDAによると、BIA-ALCLがよく発見されるのは、、血清腫、つまり術後よくできる液体で満ちたポケットがはびこるため、スムースタイプからテクスチャードタイプへの補正手術を受けている患者である。

 その上、ウィノカー医師によると、乳房リンパ腫のバクテリアが長期の炎症反応を引きおこすと示している研究もある。

 BIA-ALCLの要因に地域的、遺伝的変動制にも可能性があるとも研究者たちは割り出している。例えば、オーストラリアとニュージーランドでは、BIA-ALCLがアメリカよりも多く報告されており、テクスチャードタイプのインプラントでは1,000人に1人から10,000人に1人のリスクである。

 「この段階ではこれらの3つの要因すべてあくまで関連性であって、原因ではない。」とウィノカー医師は協調している。

この翻訳はボランティアが行ったものです。腑に落ちない点がありましたら下記の原文をお読みください。

原文:Texas Medical Center News

FDA decides not to ban textured breast implants linked to cancer