財政害とがん

20161229日 

テリ・ポラストロ

 ここ数年で、精密医療、支払い改革、患者中心医療といった用語を聞いたことがあるはずだ。今年のアメリカ臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology)に参加した際、新たな業界用語を耳にした。「財政」である。財政現象は年々噂されてきた。財政とは言うなれば、「がん治療の費用があまりにも過酷で、患者のQOLに影響し、かえって逆効果になり得るという考え」である。がん治療中の家計のやり繰り困難、仕事や収入の損失、不安、財政のストレスや負担、借金、破産等である

 2011年の医療費調査団のがん経験増補では、患者のうち20パーセントが財政難を経験し、22パーセントが、がん治療中の財政難を心配するという精神的苦痛を味わっている。ワシントン大学のヴェナ・シャンカラン医師が議長を務めた「財政: 危険性、成果と解決法」というアメリカ臨床腫瘍学会の議会でこの現象が話し合われた

 シャンカラン医師は議会の初めにを医療費の変動を取り上げている。医療費の比較をして説明している。例えば、1945年以来、卵の値段が医療費と同じくらい上がっているとしたら、卵12個に55ドル払っている計算になる。1ガロンの牛乳は48ドル、オレンジ12個で134ドルもする。加えて保険適用外の年間支出は、2008年には2943ドルだったが、2013年には5138ドルにあがっている。5年間で約57パーセント増加している。がん診断を受け健康保険を使い始めると、結果、控除免責、患者負担、共同保険等の、かなりの保険適用外支出に直面することになる

 私立の健康保険全体の約4分の1が四階層処箋薬書を2013年から実地しており、高値の薬の患者負担がより大きい、高い階層に分類される。四階層処箋薬書がほとんどなかった2000年初期から比べると、これは大きな増加である。これはがん患者と深い関係があり、何故ならここ何年か、多くの経口抗がん剤が認可されたからである。自宅で投与可能な経口抗がん剤は抗がん剤の点滴を要さないので、経済的負担が軽くなると思って当然なのだが、そう簡単な話ではない

 例えば2015年に認可された卵巣がんの経口抗がん剤オラパリブは、1ヶ月で約14400ドルの卸値である。この薬は処箋薬書でも高い階層に分類され、結果患者負担が大きい。更に、医師が経口抗がん剤を処方すると、患者は薬剤給付を受け取るが、医療給付はなく、結果より多く支払うことになる。多くの薬局プランに独自の患者負担を含む補償構造があるのである

 しかしながら、点滴治療であれば医療補償給付は適用される。だから患者は、医療機関で投与を受ければ負担も軽く、医療補償も受けられ、一方自宅投与の場合は薬局給付のみである。もっとも効果的ながん治療は経口抗がん剤である。なのに、経済的にはうまく運びそうにない

 コロンビア大学のドーン・ハーシュマン医師は、費用と財政害と医療遵守の関係を問うた。患者はしばしばきまり悪がって、お金の損失を防ぐため薬をやめたか減らしたかした際、医師には言えないと、ハーシュマン医師は認識している。患者が抗がん剤の支払いができなくなった時、長期治療の医療遵守は落ち込む。出費がかさめばかさむほど、遵守は下がる

 65歳以上の患者を対象にしたある研究では、3ヶ月分で30ドル以上した場合には遵守は大きく下がっている。2010年にアロマテーゼ阻害薬がジェネリックになって価格が下がった際、遵守があがったとハーシュマン医師は述べている。最後に、ハーシュマン医師は乳がん患者に、薬が完全に保険適用になるメディケアアロマテーゼ阻害薬研究というものがあることを言及した。残念ながら、アロマテーゼ阻害薬を早く止めると生存率が落ちると、最近の研究で判明している

 デューク大学のユーセフ・ザファー医師は財政害を、予防、査定、減少のモデルを使って治療する「症状」のようなものとして扱う提案をしている。まずザファー医師は、腫瘍内科それぞれが、治療開始前に治療費の見積もりを話し合い、治療の価値を考慮することで、財政害を防ぐことを提案している。ともに提案しているのが、治療開始前に患者と治療に関する会話をする目標を持つことであり、それによって、財政問題は話し合われ、患者は医師の理解を得られたとわかるのである

 第二にザファー医師の提案は、治療中に賃金喪失、保険の変更、治療や不明な費用の変化のため財政難に陥った場合、患者が大丈夫かどうか判断することである。財政害を測る11項目からなるCOST(財政害包括スコア)という査定を言及もしている。最後にザファー医師は、医師が患者の財政害をどう軽減する手助けをするかという提案をしている。医師は患者に財政援助プログラムを言及し、必要ならば保険会社に懇願できる

 シカゴ大学のデスーザ医師は患者と供給者の財政害の管理を論じている。財政害が、治療の遅れと治療非遵守との関連に現れているとデスーザ医師は説明している。このことは患者に治療中の財政の懸念がある時、芳しくない結果に導かれる。患者のQOLならびに結果が良くなる可能性をも低めている

 財政害を無くそうとする際頭に入れておくべきことは色々あって、法律の変更、健康保険の仕組み、薬の値段、医師と患者間で出費に関する会話をすること、患者教育と責任である。簡単に論じたり調査したりできる議題ではない。同会話内に二つのCで始まる言葉、cancer(がん)cost(出費)を持ち出すのはやっかいなことである

テリ・ポラストロは13年転移性乳がんを患っているが、娘の成長、夫、家族や友人と過ごす時間、そして転移性の病を抱える人々に対し、より効力的な提唱者になろうと取り組むことを楽しんでいる。

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この文章はボランティアにより翻訳されたものです。専門家の翻訳ではありませんので、腑に落ちないところがありましたら、下記の原文をご参照ください。

www.sharecancersupport.org/2016/12/financial-toxicity-cancer/

 

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