血液検査でがんを発見、その位置をピンポイントする・・・症状が現れる前に

The Telegraph(テレグラフ紙)

2017年3月24日

血液検査でがんを発見、その位置をピンポイントする・・・症状が現れる前に

サイエンス記者:サラ・ナプトン

体内にがんがあることを見つけるだけでなく、その場所までを明らかにする血液検査が開発された。この画期的な開発によって、医師は、たとえばしこりなどが現れるずっと前に、特定のがんの診断を下すことが可能になる。実に簡単な検査で、高血圧やコレステロールの検査などといっしょに毎年の健康診断の際に行うことができる。検査は“キャンサー・ローケーター”(がん位置探知検査)と呼ばれ、カリフォルニア州立大学で開発され、がん患者の血管内を循環する腫瘍のDNAを追跡することでその位置を正確に示す。研究チームは、体内のいろいろな箇所に現れる腫瘍は独特の“フットプリント(足跡)”を残すことを発見、それをコンピュータが探知する。

「非侵襲性のがんの診断は重要です、それはがんの早期発見を意味しますからね。早く発見されるほど、患者はがんに打ち勝つチャンスが高くなりますから」と研究論文の共同代表著者であるUCLA大学のジャスミン・ゾウ教授は話す。「私達は単一の血液のサンプルからがんを発見し、またどんなタイプのがんなのかを判定するコンピュータによる検査を開発しました。技術的にはまだ初期の段階で、さらに有効性を証明する必要がありますが、がん患者に与える恩恵は非常に大きいと思います」

英国では毎年約350,000人ががんの診断を受けるが、そのうち90パーセントが、早期に発見されれば、ほとんどのタイプのがんから少なくとも5年間は生き長らえることができる。それに対してがんの発見が遅いと、5年を生き延びる患者はたった5パーセントから15パーセントである。

新しい検査を創り上げるために、米国の研究班は、腫瘍が存在する時に細胞組織に起きる特定の分子パターンを含むコンピュータのデータベースを構築した。DNAの損傷を示すいくつかの遺伝子マーカーはどんな種類のがんであっても現れ、一方他のマーカーは、肺や肝臓といったがんの原生する細胞組織の種類に特定される。

また研究班は非がん性(正常)のサンプルの“分子フットプリント”も収集して、それは患者にがんがないことを告げるために使われる。

この検査は29人の肝臓がん患者、12人の肺がん患者、5人の乳がん患者から採取した血液サンプルを使って10回にわたって点検された。10のがんのうち8の分子フットプリントを発見し、その偽陽性率は100回に1回よりも少なかった。

血液中に見られる腫瘍のDNA のレベルはこれらのがんの早期段階ではずっと低いのだが、それでもこの検査は診断を下すことができ、がんの早期発見にこの検査の有効性が明らかに示されたと、研究者たちは語っている。

ゾウ教授は「一般に、血液中の腫瘍のDNAの比率が高いほど、検査の診断結果は正確になります」とつけ加えた。

研究論文は「ゲノム生物学(Journal Genome Biology)誌」に発表された。

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http://www.telegraph.co.uk/science/2017/03/24/blood-test-detects-cancer-pinpoints-locationbefore-symptoms/