セミナー 乳がんの最新治療の進展

6日月曜日にJCCで行われたメモリアル・スローン・キャタリング・癌センターから、専門家をお呼びして毎年行われるSHAREのセミナーは、マウラ・ディックラー腫瘍内科医師が都合で出席できなくなり、予告なしに代わりとして現れたゲストスピーカーは、あのラリー・ノートン医師。

ラリー・ノートン医師はメモリアル・スローン・キャタリング・癌センター、エヴァリン・ローダー乳がんセンターのセンター長であり、前ASCO代表、クリントン政権での国家がんアドバイザー、他にも多くの団体に席を置く研究医師です。

この日も相変わらずのノートン節で、分かりやすくごく最近の乳がん研究の様子を説明をし、半分の時間を質疑応答に費やしてくれました。

8時から電話での国際会議があるので、7時45分でおいとましますと言いながらも、SHAREのセミナーでの質問は高度なものが多く、自分としても面白くて話を止めにくいとギリギリまでお話をされ、集まった参加者たちには嬉しいセミナーとなりました。

ノートン医師は現在研究中のものから、今までずっと話し合われていることまで幅広く、ご自分のご意見をシェアしていただきました。

お話になった内容で、私がはっきりと理解できたものだけをお伝えします。

  • トリプルネガティブの乳がんは、リンパ線以外から転移することがわかった。
  • 変異した遺伝子を探すのは上手になったので、今は変異した遺伝子の分析の方法に力を入れている。
  • her2 の乳がん治療薬 Pertuzumab (Perjeta) は良く言われていなかったが、臨床実験からは効果が見られる。問題は製薬会社との兼ね合い。
  • 骨粗鬆症の予防で治療薬を飲んでいる患者は、再発率が低いことが分かった。aloxifene (Evista)の名前が上がった。
  • 30歳になったら全ての人がBRCA遺伝子テストをするようになると良いと思う。特にこれからはPALB2遺伝子などの一般的でない遺伝子にも目を向けるべきだ。
  • 乳がんが転移する要因にコラーゲンが関係していることがわかり、現在これに注目している。コラーゲンを美容に服用している参加者が、飲むことをやめるべきかとの質問には、美容のために服用する量は心配しないで良いとの答えだった。
  • デンスブレストを持った女性はマンモグラムとソノグラムではなく、マモグラムとMRIをするべき。
  • ソノグラムはすでにマモグラムで何か見つかった人には良いが、そうでない場合はあまり効果がない。                                                   
  • 造影剤を使ったマンモグラムはボコボコした乳房にはとても映像が見づらいので、やはりMRIを進める。
  • 年齢とともにデンスブレストは変化するのかという質問には、そうとは一概に言えないので、マンモグラムの画像を見てその都度対処するべきと答えた。
  • ニューヨーク州ではデンスブレストの女性にMRIが追加される場合、保険が対応することになった。
  • 乳がんと肥満の関係が問題になっているが、痩せていても体脂肪が多い人は肥満の人と同じように要注意。
  • 若くして乳がんになった女性が妊娠を考えている場合は、最低3、4ヶ月ホルモン治療薬のタモキシフェンを飲むのを止めてからの妊娠を勧める。タモキシフェンは体内から完全になくなるまでに時間のかかる薬。
  • 同じ研究文書を同僚と読み、同僚は妊娠を勧めることに反対だったが、ノートン医師は乳がんの再発数値が低い患者は、妊娠をしても良いと思っている。
  • オンコタイプDXと同じ検査をできるものが出てきたが(名前を書き忘れました)オンコタイプ検査は、やはり素晴らしいと言っていた。

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