がんが死病ではなくなる日

4月9日(土)、NYU病院で開催された、第二回JMSAニューヨーク・ライフサイエンスフォーラムに参加してきました。

医療関係者が主催する、医療関係者向けのフォーラムっぽいので、単なるがん患者の自分が参加しても、理解出来るのか少々不安だったが、講演者の説明が素晴らしく、実に、楽しく、面白く、聴講出来た。沢山の画像や動画でプレゼンテーションしてくれた事も、理解しやすかった理由であろう。

医療ドラマ・ドクターX顔負けの、小児肝移植・多内蔵移植の世界的第一人者の加藤MDの講演は、2007年3月に執刀した、複雑に絡みついた腫瘍を摘出する過程で、6臓器の対外摘出・腫瘍切除・再移植の動画が盛り込まれており、これは凄まじかった。人間って、こんな状態(内臓が取り外され、ほぼ空っぽの状態)でも、生きているんだ、と目を丸くした。そして、その少女の元気になってからの姿も紹介されていたが、医学の進歩の素晴らしさに驚嘆した。この少女は、大人になれる。人生をもっと体験出来る。なんて素敵なことだろう。

また、がん細胞の基礎研究として、がん細胞には、エクソソームという、郵便番号みたいなものがあり、転移先(配達先)を先回りしてチェックする事により、転移予防や転移を防ぐことが将来的に出来る可能性を示唆するものが発表されていた。大変興味深い研究だと感じた。がん患者の死亡原因の9割は転移。つまり、転移を防げれば、そう簡単に死ななくなる。がんは死病ではなくなるのだ。

しかし、その後の講演、「世界を健康にするための科学。パブリックヘルス(公衆衛生)の考え方と実践」で、世界一の長寿国となった日本は、死ぬまで、男性は9年、女性は13年、自力では生きていないという現実を知り、複雑な気持ちになった。

病気になり、介護が必要で、でも、死なない。それって、幸せなことだろうか?本人にとっても、支える方にとっても。

少なくとも、自分は、死なないように生きるより、死ぬまで好きなように生きる道を選ぼうと思った。死ぬまで、自立、肉体的にも精神的にも自分で立っていたい。

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